A 武生始発の電車
B 上鯖江まで空いている座席
C 一日の中のある時間を共有していること
D 上鯖江という駅
50. 「筆者の高校時代の通学電車」とは、どんなものなのか。
A 朝のラッシュ?アワー、電車は通勤や通学の人間がほとんどである
B 二つ目以降の駅でその電車に乗る人は、みんな立たなければならない
C 少年を背負っている母親が上鯖江から乗ってくるたびに、誰かが席を譲っていた
D どんなに混雑していても、真ん中あたりの席がいつまでも空いている。
文章Ⅱ
灯台守
道は起伏に満ち、上っては下り、下ってはまた山の背へと導かれる。左は宇和海が太平洋に続き、右は瀬戸内海である。51佐田岬半島は、まさに巨大な、天然の堤防である。わたしは、今、陸の孤島を歩いている。この実感は、一昨日の夜、特急「あさかぜ」で東京をたって、まだ、まる二日にもなっていないという場面の急転によってもたらされたものであろう。
わたしは、今、初夏の陸の孤島を歩いている。半島十三里の中の、おそらくはたったひとりの旅人として。
わたしは、やがてたどり着く、この半島の突端に建つ灯台に住む52灯台守の姿を思い浮かべてみた。そこには、何人の家族が住んでいるであろうか。職員はどんな表情でわたしを迎えるであろうか。
今までに、いくつかの灯台をわたしは訪れたことがある。T県のN灯台を訪れたときは、作家の田宮虎彦氏といっしょであった。53あのときの職員は、旅行者などに[注1]食傷しているといったふうな顔つきで、将棋のこまを持つ手を休めず、「今は休憩時間だ」と[注2]すげなく言った。
しかし、54やがていくつかの起伏を上下して、たどり着いた灯台でわたしが見た職員の姿は、あの55N灯台の人の印象とはちがっていた。彼は、わたしがまだ灯台の階段を上がらぬうちから、わたしの姿をはるかに見おろして、人なつかしそうな表情を浮かべた。三十五、六人であった。その顔には、いくらかの空虚感と、職業に対する異常な愛情とがあふれていた。
[注1] 食傷:厌烦
[注2] すげない:冷淡的
問題:
51. 「佐田岬半島は、まさに巨大な、天然の堤防である」とあるが、その根拠は次のどれか。
A 道は起伏に満ちていること
B 道は上っては下り、下ってはまた山の背へと導かれること
C 左は宇和海が太平洋に続き、右は瀬戸内海であること
D 陸の孤島であること
52. 「灯台守の姿を思い浮かべてみた」とあるが、それはなぜか。
A たぶんすげなく自分を迎えてくれるのではないかと心配するから
B たぶん自分を大いに歓迎するのではないかと想像するから
C 灯台守が自分の知っている人ではないかと想像するから
D 灯台守が自分の知っている人でなければ、困るのではないかと考えるから。
53. 「あのとき」とはいつのことなのか。
A 佐田岬半島についたとき
B 陸の孤島を歩いているとき
C 半島の突端に建つ灯台を訪れたとき
D T県のN灯台を訪れたとき
54. 「やがて」はどの文節に係っているのか。
A 起伏 B 上下して
C たどり着いた D 見た
55. 「N灯台の人の印象」とあるが、筆者はN灯台の人に、どんな印象を持っているのか。
A 人なつかしそうな印象を持っている